本と小さな生き物

琉球新報社提供 「落ち穂」04 2019.3.5掲載 カディブックスの本は一冊ずつ透明な袋に入れて封をしている。書店に並べられている一般的な新刊はそうしていないことが多い。封入する場合にはなにがしかの理由がある。カディブックスの場合もやはり理由がある。 ひとつは本を落ち着かせるため。カバーを手折りで付けると機械で作るようにピシッとならない。なんとなくふんわりしている。それを透明な袋にきちんと収める […]

長い旅をする本

琉球新報社提供 「落ち穂」03 2019.2.15掲載 朝起きると天気予報を見る。雨は降るか。風は強いか。波は高いか。台風の動きには特に注目する。 外に出て馬の世話をしながら空を見る。どんな雲があるか。どのくらいの速さで動いているか。風を肌で感じる。方角と風圧を確かめる。 天気が気になるのは、野天で暮らす馬のため。そして本の発送に関わるからだ。 与那国島では天気が悪いと飛行機や船が欠航になる。台風 […]

手触りとゆらぎ

琉球新報社提供 「落ち穂」02 2019.1.30掲載 紙の束から指の感覚で厚みを計り、このくらいと感じる量を手に取る。枚数を数えてみると欲しかった量とぴたり。その後に続く作業についても同じで、頭で考えなくとも、手順、力加減、動きのリズムがもう体に刻まれている。ただ無心に紙を折り続ける。 折っているのは本のカバーだ。カディブックスの本は、中身をオンデマンド印刷で作り、別に刷ったカバーを手作業でつけ […]

馬は道を作る

琉球新報社提供 「落ち穂」01 2019.1.12掲載 先日、相棒の馬を新しい放牧地に放した。その土地には雑多な草が折り重なるように生えていて、足を踏み出せば腰の高さほどにもなった。 馬を放し日がたつうち、一面ぼうぼうと茂っていた草原に模様ができてきた。はじめはうっすら、それがだんだんくっきりとしてくる。馬が気の向くまま草を食べ、歩き、遊んでいる間に自然と道ができたのだ。目的地のある真直ぐな道でな […]

100人の読者に

カディブックスとはどんな出版社か、すこしお話ししたいと思います。 最近、スモールプレスとか、リトルプレスと呼ばれる出版活動が、日本のあちこちで生まれてきているようです。カディブックスもそういう流れのひとつとして、たぶん生まれてきたのだと思います。 カディブックスは、できるだけちいさく、柔らかく続けていきたいと思っています。 たとえば、本は、オンデマンド印刷という方法で作っています。一度に印刷する数 […]