動きを伝える

琉球新報社提供 「落ち穂」08 2019.5.10掲載 「馬語手帖」は馬のボディランゲージを紹介した本だ。馬の表情やしぐさが、それぞれどんな気持ちを表すかをトピックごとにまとめている。 生き物の「動き」を本でどのように伝えるか。動画だったら簡単だけれど紙の上ではそうはいかない。文章で出来ることは限られている。 まずは写真を考えた。試してみるとこれが案外むずかしい。馬の写真は日常的にたくさん撮ってい […]

「聞く」から「対話」へ

琉球新報社提供 「落ち穂」07 2019.4.23掲載 東京にいた頃、私が取材してまとめたいくつかのインタビュー記事に目を留め、会いに来てくれた人がいた。理由が変わっていた。記事の内容に興味を持ったのではなく、インタビューの聞き手がどんな人か会ってみたかったと言う。記事に対してそういう読み方をする人がいるなんて思ってもみなかったのでびっくりした。それが編集者である賀内さんとの出会いだ。 編集者にも […]

馬の話を聞く

琉球新報社提供 「落ち穂」06 2019.4.5掲載 馬の耳はよく動く。動き方や角度には、それぞれ意味がある。たとえば、ゆるく開いていたらくつろいでいる。ピンと立っていたらなにかを警戒中。絞るように後ろへ寝かせていたら怒っている。 耳を見れば馬の気持ちがわかる。そう気づいた時には、頭の中で電灯がぴかぴか光ったように感じた。すごい手がかりを得た気分になった。 犬がしっぽをぶんぶん振ったら喜んでいる。 […]

見いだす回路

琉球新報社提供 「落ち穂」05 2019.3.21掲載 遠くの丘に、ちらっと動く小さな影が見えた。馬だろうか。気持ちがぴょんと飛び跳ねる。やはり馬だ。嬉しさがこみあげる。ふだんぼんやり過ごしているし、視力もよくない私だが、馬に対してだけはいつでも瞬時に反応する。深い集中が起こる。あれはどういう脳の働きなのか。 私の場合は馬だけれど、鳥が好きな人は鳥を、花が好きな人は花を、無数の要素があふれる世界か […]

本と小さな生き物

琉球新報社提供 「落ち穂」04 2019.3.5掲載 カディブックスの本は一冊ずつ透明な袋に入れて封をしている。書店に並べられている一般的な新刊はそうしていないことが多い。封入する場合にはなにがしかの理由がある。カディブックスの場合もやはり理由がある。 ひとつは本を落ち着かせるため。カバーを手折りで付けると機械で作るようにピシッとならない。なんとなくふんわりしている。それを透明な袋にきちんと収める […]